
風で走るレスキューカー
ふしぎ工作クラブ・第1話
むりょう・8場面
町の「もしもにそなえる工作デー」。赤い練習用ポーチを三回以内に向こうのテントへ届ける。それが今日のミッションです。ミオは設計カードをこちらへ差し出しました。「きみ、今日は設計リーダーをお願い。わたしは組み立てて、走らせるよ」初めて、チームの進み方を決める役です。きみは大きく息を吸い、ミオとうなずき合いました。

きみは「風をたくさん受ければ速い」と考え、大きな帆を選びました。ミオが帆を固定し、最初の笛。びゅうっ! 横風が高い帆をつかみ、片方の車輪が浮いて、車は安全なわらへ横倒し。歓声が止まり、きみの胸もきゅっとします。ミオは倒れた車とこちらを見比べました。「予想と違ったね。次は、倒れた理由を探そう」責める声ではありませんでした。

曲がった車輪跡。右へ伸びる風のリボン。せまい車輪の間。高い場所のポーチ。ミオが手がかりを指しました。「きみ、どこから確かめる?」きみは、問題を〈倒れやすさ〉と〈横ずれ〉の二つに分けました。そして、まず倒れにくくすると決めました。

きみの案で、ミオは車輪を広げ、ポーチを低くしました。二回目。今度は倒れません。でも大きな帆に押され、右へ、右へ——ゴールまで手のひら一つで、止めわらへ、ざくっ。残りは一回です。きみの手は汗ばみ、ミオは涙をぬぐいました。「倒れない、は当たった。残ったのは横ずれだね」きみは記録カードを閉じず、最後の一行を開きました。

作業台には、大きな帆と小さな帆、向きを変えられる前輪があります。工作の先生が、小さな送風機を置きました。コースのリボンは、コース左から右へぴん。二号車の跡もコース右へ曲がっていました。ミオは二つの帆を持ち上げます。「帆と前輪を、どう組み合わせればいいかな」答えはまだわかりません。本番はあと一回。でも、テストなら何度でもできます。

風を読んで、最後の一台を完成させよう
ミオが組み立て、画面の前の設計リーダーが決めます。車は毎回、同じ強さで前へ進みます。本番の横風はコース左から右。反対の風も試せます。横ずれは、ちがいが見えるように広げて表示します。最後は観察した風に合う帆と前輪を見つけよう。
工作の先生が、横風テストレーンに送風機をセットしました。車は毎回、同じ強さで前へスタートします。ミオは改良した車を置き、こちらを見ました。「組み立てるのはわたし。風を読んで決めるのは、きみ。動きを見て一緒に直そう」本番で走らせられるのは、あと一回。ここで最後の設計を確かめます。