ないしょの やくそく
えらんで すすむ お話

ないしょの やくそく

The Secret Promise

ここまで むりょう・7場面

公園の すみ。しげみの 中から、小さな こえが しました。「……くぅん。」ハナが そっと のぞくと——子ぎつね。まるくなって、ふるえています。前足を、けがして いました。「だいじょうぶ?」ハナが ちかづくと、子ぎつねは、びくっと からだを すくめました。まんまるの 目が、ハナを じっと 見つめます。

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ハナは、ポケットの ビスケットを、そっと さしだしました。子ぎつねは、においを かいで……ぱくり。ハナは、にっこり。「コン、って よんでも いい?」コンは、ハナの ゆびを、ちょん、と なめました。でも、人が とおると、コンは あわてて しげみに かくれます。「ね、コン。だれにも 言わないよ。ふたりだけの ひみつ。」ハナは、ゆびきりを しました。

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それから、まいにち。ハナは、こっそり コンに 会いに いきました。ごはんを わけて、小さな こえで おはなし。コンは、ハナの ひざに、あごを のせて くれるように なりました。だれも しらない、ふたりだけの じかん。「コンは、わたしの いちばんの ともだち。」ハナの むねは、ぽかぽか でした。

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でも、ある日。コンの けがが、なかなか よく なりません。前足が、赤く はれて、コンは、もう あるくのも つらそう。だいすきな ビスケットも、たべません。「コン……? どうしたの?」コンは、ぐったりと、ハナの ひざに もたれます。からだが、いつもより、あつい。ハナの むねが、きゅう、と なりました。

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ハナは、わかって いました。じぶん だけじゃ、コンを なおせない。お母さんなら。どうぶつの お医者さんなら。きっと、たすけて くれる。——でも。「だれにも 言わないで」。コンと した、ゆびきりの やくそく。それに、コンは、人が こわい。つれて いかれたら、もう 会えなく なるかも しれない。

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ハナは、コンを そっと だきしめました。「やくそく、したもんね。」ゆびきりした、あの日を おもいだします。コンが、はじめて ハナを しんじて くれた、たいせつな やくそく。でも、うでの 中で、コンの いきが、はあ、はあ、と あさく なって いきます。やくそくを まもったら、コンは……。ハナの 目から、なみだが、ぽろり。

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コンが、うっすら 目を あけて、ハナを 見ました。まるで、「だいじょうぶ」って いうみたいに。でも、ぜんぜん だいじょうぶ じゃ ない。やくそくを まもれば、コンは、ハナを うらぎらない 友だちの まま。たすけを よべば、やくそくは やぶれて しまう。——けど、コンが、たすかる かも しれない。公園は、もう 夕やけ。ハナは、どうする?

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