
ながした 水は どこへ いく?
足もとの 暗い 川から、見えない 生きものの 池へ
登録なし・第1話は 最後まで無料
絵の具を 洗った 水が、せんめん台の 穴へ くるりと 消えました。さようなら? いいえ、この 一滴の 旅は ここからです。床の 下には、ふだんは 見えない 水の 道が あります。暗い 管の 先で、だれが、どんな 方法で 水を もう一度 川へ 戻しているのでしょう。足もとの 町を、いっしょに のぞきます。

排水口の 下で、家の 水は 下水管へ 入ります。道の 下の 管には、台所や おふろ、トイレなどから 流れた 水も 集まります。多くの 場所では 管の かたむきを 使って 流し、深くなった 所では ポンプで くみ上げながら、水再生センターへ 送ります。地図に のらない、もう一つの 川です。

水再生センターの 入口で、最初の 門が 待っています。格子の 機械が 大きな ごみを 取り、流れを ゆるめた 池では 重い 砂を 沈めます。何でも 水に とけている わけでは ありません。ここで 取りのぞかないと、つぎの ポンプや 池を 傷めることが あります。水の 旅を 守る、入口の 仕事です。

つぎは、とても 大きくて 静かな 池。水を ゆっくり 流すと、細かな よごれの 一部が 底へ 沈みます。底の 泥は 機械で 集め、べつの 設備へ 送ります。速く 流せば 早く きれいに なるのでは ありません。急がずに 待つことも、大切な 技術です。けれど、見えない よごれは まだ 水の 中です。

そこで 登場するのが、目に 見えないほど 小さな 生きものです。反応タンクでは、微生物が いる 泥と 水を まぜ、下から 空気を 送ります。微生物は 水の 中の 有機物を 分解し、細かな よごれを くっつけて、沈みやすい かたまりに します。大きな 機械の 中で、町を 支える 小さな 命が 働いています。

水が 変わった 根拠に なる、三つの 手がかりを 見つけよう のこり 3こ
ここは 水の 取材デスク。水再生センターでは、水が きれいに なっているかを 調べ、微生物の ようすも 顕微鏡で 見ます。色が うすく なっただけでは、合格とは 言えません。入口と 出口の 水、顕微鏡、検査の 記録。三つの 手がかりを 見つけて、『見た目の ほかに 何を たしかめる?』を 考えましょう。

微生物が 集めた かたまりを、もう一度 大きな 池で ゆっくり 沈めます。上には すんだ 水、底には 活性汚泥。沈んだ 泥の 一部は、働く 微生物ごと 反応タンクへ 戻します。残りは べつに 処理します。水だけが 一方へ 進むのではなく、必要な 泥は もどる。施設の 中には、見えない 循環が あります。

最後に、処理した 水を 消毒し、水質を たしかめてから 川や 海へ 流します。これは 飲み水として そのまま 家の じゃぐちへ 戻る 水では ありません。でも、川や 海は 町の 外へ 消える ごみ箱でも ありません。流した 一滴は、機械、人の 記録、微生物の 力を 通り、水の 世界へ 戻っていきます。
読んだ後に・水の 取材ノート 1
足もとの 川を 支えた、五つの 仕事

- 地下の 下水管と ポンプで、水再生センターへ 送る
- 大きな ごみや 砂を 取り、沈みやすい よごれを 分ける
- 空気と 活性汚泥を まぜ、微生物の 力で 有機物を 分解する
- もう一度 泥を 沈め、消毒と 水質検査を して 川や 海へ 戻す
※本作は、公共下水道に つながる 地域と、標準的な 活性汚泥法を 使う 水再生センターの 共通工程を、国土交通省と 自治体の 公開資料から 再構成した イラスト・ドキュメンタリーです。特定施設の 記録写真では ありません。地域、施設、天気などにより、管の 集め方、処理方法、設備は 異なります。下水道ではなく、合併処理浄化槽などで 生活排水を 処理する 地域も あります。処理水は 飲み水ではなく、家庭の じゃぐちへ 直接 戻る 水では ありません。
水の 旅は、まだ 半分
つぎは、じゃぐちに 来る 水を さかのぼる。
流した 後の 水を 追うと、地下の 管、微生物、検査の 記録が 町を 支えていました。第2話では 視点を 反対にして、川や ダムなどの 水が 浄水場を 通り、町の じゃぐちまで 届く 代表的な 道を 追います。親子で『使う 前』と『使った 後』を つなぐ、二つで 一組の 水ドキュメンタリーです。
