きえた プリンじけん
えらんで すすむ えほん

きえた プリンじけん

The Case of the Vanished Pudding

むりょう・10場面

ひるさがりの キッチン。だれも いない……と おもったら、そーっと あらわれた、おおきな かげ。れいぞうこを あけて、とりだしたのは——くまの シールが ついた、おにいちゃんの プリン! ぱくり。ぺろり。あっというまに たいらげて、ふたは ゴミばこの おくの おくへ。それから かげは、こっちを 見て——くちに ゆびを あてました。「しーっ」。……ねえ。いまの、だれ?

1 / 10

おやつの じかん。「ぼくの プリンが なーーい!!」 おにいちゃんの さけびごえが いえじゅうに ひびきました。「たしかに れいぞうこに いれたのに!」 そのとき、あしもとを ゴマが のんびり とおりかかりました。くちの まわりを、ぺろり。「あっ! ゴマだ! ゴマが たべたんだ!」。ゴマは きょとんと して、「にゃ?」と いっただけでした。ねこは、いいわけが できません。

2 / 10

「まって」。りびんぐの すみから、ちいさな こえが しました。じけんぼノートを かかえた、いもうとの ヒナタです。「たんていは、きめつけません。いちばん あやしく 見える こが、はんにんとは かぎらないんだから」。ヒナタは えんぴつを かまえて、それから——きみの ほうを 見ました。「ねえ、じょしゅさん。なにか 見て いたら、あとで こっそり おしえてね」

3 / 10

ききこみ かいし。「ママは?」「おにわで せんたくものを ほしてたわ」。「おにいちゃんは?」「しゅくだい! ずっと へやに いたよ!」。「……パパは?」 パパは しんぶんで かおを かくしながら、いいました。「パ、パパは おしごとの メールを してたぞ。ずーっとだ。ほんとだぞ」。……ねえ、じょしゅさん。あの かげは、この なかの だれかなのかな?

4 / 10

キッチンに のこる 手がかりは どこ? のこり 2こ

「げんばに もどるよ、じょしゅさん」。ヒナタと きみは、キッチンを しらべる ことに しました。よーく 見て。手がかりは、いつも ちいさい。ゴマには できない ことの あとが、どこかに のこって いるはず。見つけたら、とんとん!

5 / 10

ヒナタは じけんぼに かきこみながら、ゆっくり いいました。「ゴマは、れいぞうこを あけられない。ふたを むいて、ゴミばこの おくに かくすなんて、もっと できない。——できるのは、せの たかい にんげん。そして、ひげに きいろい プリンの あとを つけた にんげん」。しんぶんが、ぷるぷる ふるえて います。パパの ひたいに、あせが ひとつぶ。

6 / 10

ヒナタは じけんぼを ぱたんと とじて、きみに だけ きこえる こえで ささやきました。「じょしゅさん、こたえあわせ だよ。れいぞうこを あけられる、せの たかい ひと。ひげの ある ひと。——あの かげの しょうたい、きみは もう わかったよね?」 ヒナタは すっと たちあがって、しんぶんの ほうへ あるいて いきます。

7 / 10

ヒナタは、みんなの まえで あばいたり しません でした。パパの そばへ いって、みみもとで ちいさく ささやいたのです。「ひげに、プリンの あと ついてるよ」。しんぶんが、ぴたり。パパの かおが、みるみる まっかに なりました。きめつけないで、しずかに つたえる——それが ヒナタの、たんていの やりかたです。

8 / 10

パパは ひげを ぬぐって——すっくと たちあがりました。「はっぴょうします! プリンを たべたのは……パパです! ごめんなさい!!」 いえじゅうが、いっしゅん しーん。それから、おおわらい。じぶんで いえた こくはくに、ママが いちばん おおきな はくしゅを おくりました。おにいちゃんは ぷんぷん。ゴマは 「にゃ?」。

9 / 10

その ばん、パパは プリンを 三つと、ゴマに ささみを ひとふくろ かって きました。「うたがって ごめんな、ゴマ」。おにいちゃんが あたまを なでると、ゴマは のどを ごろごろ。ヒナタは きみに ウインクして、じけんぼに かきこみました。まる。かいけつ。——また つぎの じけんで、じょしゅさん。

10 / 10

たんていの こころえ ずかん

  • きめつけない。いちばん あやしく 見える こが、はんにんとは かぎらない
  • よく 見る。手がかりは、いつも ちいさい
  • くらべて かんがえる。「できる こと」と「できない こと」を
  • しゃべれない この ぬれぎぬは、かならず はらす

2 予告

われた かびんじけん

なきそうな かげの ひみつは?

つぎの じけんは、リビングで われた かびん。うたがわれたのは、また ゴマ。でも げんばには、ねこには のこせない 手がかりが……。そして かげの はんにんは、なぜか なきそうな かおを して いました。どうして?

第2話は、公開中です。

第2話以降・すべての絵本・オリジナル絵本づくりが、ひとつの会員プランに含まれます。

会員プランで、シリーズをはじめる
Lumisia Stories — 学びとワクワクがつづく、親子の物語シリーズ。 · 運営: 英智ソリューションズ合同会社