きえた プリンじけん
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きえた プリンじけん

The Case of the Vanished Pudding

むりょう・10場面

ひるさがりの キッチン。だれも いない……と おもったら、そーっと あらわれた、おおきな かげ。れいぞうこを あけて、とりだしたのは——くまの シールが ついた、おにいちゃんの プリン! ぱくり。ぺろり。あっというまに たいらげて、ふたは ゴミばこの おくの おくへ。それから かげは、こっちを 見て——くちに ゆびを あてました。「しーっ」。……ねえ。いまの、だれ?

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おやつの じかん。「ぼくの プリンが なーーい!!」 おにいちゃんの さけびごえが いえじゅうに ひびきました。「たしかに れいぞうこに いれたのに!」 そのとき、あしもとを ゴマが のんびり とおりかかりました。くちの まわりを、ぺろり。「あっ! ゴマだ! ゴマが たべたんだ!」。ゴマは きょとんと して、「にゃ?」と いっただけでした。ねこは、いいわけが できません。

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「まって」。りびんぐの すみから、ちいさな こえが しました。じけんぼノートを かかえた、いもうとの ヒナタです。「たんていは、きめつけません。いちばん あやしく 見える こが、はんにんとは かぎらないんだから」。ヒナタは えんぴつを かまえて、それから——きみの ほうを 見ました。「ねえ、じょしゅさん。なにか 見て いたら、あとで こっそり おしえてね」

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ききこみ かいし。「ママは?」「おにわで せんたくものを ほしてたわ」。「おにいちゃんは?」「しゅくだい! ずっと へやに いたよ!」。「……パパは?」 パパは しんぶんで かおを かくしながら、いいました。「パ、パパは おしごとの メールを してたぞ。ずーっとだ。ほんとだぞ」。……ねえ、じょしゅさん。あの かげは、この なかの だれかなのかな?

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キッチンに のこる 手がかりは どこ? のこり 2こ

「げんばに もどるよ、じょしゅさん」。ヒナタと きみは、キッチンを しらべる ことに しました。よーく 見て。手がかりは、いつも ちいさい。ゴマには できない ことの あとが、どこかに のこって いるはず。見つけたら、とんとん!

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ヒナタは じけんぼに かきこみながら、ゆっくり いいました。「ゴマは、れいぞうこを あけられない。ふたを むいて、ゴミばこの おくに かくすなんて、もっと できない。——できるのは、せの たかい にんげん。そして、ひげに きいろい プリンの あとを つけた にんげん」。しんぶんが、ぷるぷる ふるえて います。パパの ひたいに、あせが ひとつぶ。

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ヒナタは じけんぼを ぱたんと とじて、きみに だけ きこえる こえで ささやきました。「じょしゅさん、こたえあわせ だよ。れいぞうこを あけられる、せの たかい ひと。ひげの ある ひと。——あの かげの しょうたい、きみは もう わかったよね?」 ヒナタは すっと たちあがって、しんぶんの ほうへ あるいて いきます。

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ヒナタは、みんなの まえで あばいたり しません でした。パパの そばへ いって、みみもとで ちいさく ささやいたのです。「ひげに、プリンの あと ついてるよ」。しんぶんが、ぴたり。パパの かおが、みるみる まっかに なりました。きめつけないで、しずかに つたえる——それが ヒナタの、たんていの やりかたです。

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パパは ひげを ぬぐって——すっくと たちあがりました。「はっぴょうします! プリンを たべたのは……パパです! ごめんなさい!!」 いえじゅうが、いっしゅん しーん。それから、おおわらい。じぶんで いえた こくはくに、ママが いちばん おおきな はくしゅを おくりました。おにいちゃんは ぷんぷん。ゴマは 「にゃ?」。

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その ばん、パパは プリンを 三つと、ゴマに ささみを ひとふくろ かって きました。「うたがって ごめんな、ゴマ」。おにいちゃんが あたまを なでると、ゴマは のどを ごろごろ。ヒナタは きみに ウインクして、じけんぼに かきこみました。まる。かいけつ。——また つぎの じけんで、じょしゅさん。

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たんていの こころえ ずかん

  • きめつけない。いちばん あやしく 見える こが、はんにんとは かぎらない
  • よく 見る。手がかりは、いつも ちいさい
  • くらべて かんがえる。「できる こと」と「できない こと」を
  • しゃべれない この ぬれぎぬは、かならず はらす

第2話 予告

われた かびんじけん

なきそうな かげの ひみつは?

つぎの じけんは、リビングで われた かびん。うたがわれたのは、また ゴマ。でも げんばには、ねこには のこせない 手がかりが……。そして かげの はんにんは、なぜか なきそうな かおを して いました。どうして?

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