
六つの点に、ことばを
自分と仲間が使う指先を手がかりに、文字を作り直したルイ・ブライユ
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1821年、パリ。十二歳のルイ・ブライユは、目が見えない子どもたちが学ぶ学校に通っていました。本を読むときは、紙に浮き出た大きな文字を指でたどります。一文字ずつ読むのに時間がかかり、本はほんのわずか。同じ方法で、自分のことばを書くこともできません。「読みたい。自分でも書きたい」その願いは、ルイだけのものではありませんでした。

1821年、学校は、元軍人シャルル・バルビエが視覚障害のある人のために考えた、点で書く方法を試しました。最大十二の浮き出た点を二列に並べ、文字を表す方法です。紙の裏から点を打てば、生徒たちは自分で書き、あとで読み返せました。ルイも仲間も、指を走らせました。「ぼくたちが書ける文字だ」新しい扉が、少し開きました。

けれど、十二の点は縦に長く、指先で一度に形をつかめません。上から下へ何度も確かめるうち、ことばが途切れます。しかも、文字のほかに句読点や数字、音楽まで書くには、しるしが足りません。ルイは、十二点式を試すうち、その難しさに気づきました。「点が指先に収まれば、もっと速く読めるはずだ」

十二を、半分の六にしたらどうだろう。縦三つ、横二つなら、指先の中に収まる。六つの点の組み合わせを文字やしるしに割り当てれば、句読点や数字も書ける。けれど、十二点式を手がかりに、六点に合う組み合わせを考え直し、何度も試さなければなりません。今ある十二点をまず使うか。時間をかけ、六点へ作り直すか。

十二点なら、今日から仲間と書き始められる。まだ読みづらくても、「自分で書ける」ことは大きな一歩です。六点なら、指で速く読みやすくなるかもしれない。でも、本当に使える組み合わせになるかも、大人たちが認めるかも分かりません。ルイの前に、二つの道がありました。きみなら、どちらを選びますか。

結末を見る前に、お子さんへ聞いてみてください。「ルイの仲間だったら、どちらから進む?」
タップして えらぶ
物語を読み終えた、その先へ
偉人の選択が、親子の会話になる。
点字の歴史は、一人の天才だけの物語ではありません。ルイが使いにくさを見つけ、仲間が新しい文字を使い、制度があとから追いつきました。このシリーズでは、偉人の名前や功績だけで終わらず、当時の道具や周りの人の声を手がかりに二つの道を比べ、親子で理由を話したあと、史実を確かめます。